おやじは荒野をめざす【アラスカ編】

がむしゃらに突き進むおやじに、アラスカは何を与えてくれるのだろう、、、

(22) やばかったこと〔その2〕

◼︎スピードオーバーでポリに呼び止められる パトがすぐ後ろを走っている。邪魔になっちゃ悪いなと道脇に車を寄せたらパトも同じことをする。えっ、これって俺の車に用があるわけ?なんかいけないことしたかなあ、、、空き地に停車。パトも停まる。ドアを開けて外に出ようとしたら「出るな。車内にとどまれ!」と大声で命令された。190センチはあろうかというアメリカンサイズのポリがのっしのっしと私のとこまで来て、免許証・パスポートをチェックする。「レンタカーなら契約書を見せろ。ちゃんと保険に入っているんだろうな、、、」。こういう時に限って必要なものが出てこないのが人生というものだ。そこいら中をひっくり返して、余計頭が混乱して、我ながら出てくる気が全然しない。レンタカーの見積書があったから、とりあえずポリにそれを渡して、、、と思ったら「保険についてのメモがあるな。ま、いいだろう。あんたは20マイルのスピードオーバーだった。本来なら切符を切るところだが、ちゃんと保険にも入っているようだから、今回だけは見逃してやる」オォ、ありがたいお言葉。このポリ、顔の割の心優しいぜ、ラッキー!しかしね、アメリカのポリはピストルをすぐに抜くってイメージあったから、マジ、ビビりました。

教訓 : 制限速度の表示に注意。ポリには逆らわない。

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◼︎おっさんに連れて行かれたやばい店 「たまには外で、、、」と考えて、一人、パブで地ビールを静かに飲んでいたら、隣席のおっさんと意気投合し、2軒目の途中までははっきり覚えているが、その後がトンデモナイ事になった。3軒目の店に入るとき、ネオンサインがやたら眩しく怪しいのには気づいたのだが、中に入ると、、、これはやばいんじゃないの。ありゃ、あんなことしちゃってまずいでしょ。アリャャャャャ、、、で、誰がお金払うことになるの?あ、ああ、あああ、ぁぁぁ、、、店を出る時まではおっさんと一緒だったはず。その後、私ゃどっと疲れが出て、タクシーで安宿に戻り、しっかし、あれは一体なんだったのだろう、、、

教訓 : 知らないおっさんにはついて行かない(これについての写真はありません)。

 

クマに追いかけられて川の中で転んだり、暗くなるまで釣りをして帰り道が分からなくなったり、山の中で尿路結石が再発したりなんてのもあった。自分が気づかない「危険とのニアミス」もいくつかあったんだろう。なんとなく気配がおかしかったり、全く気づかずにノーテンキにやり過ごしたなんてのもあったかもしれない。でも、何しろ、最後まで旅を続けられ、無事帰国できたのはありがたいことだ。中一の秋に一人で山を歩き始め、中三でヒッチハイクの楽しさを知り(もっとも、当時はタダというのが一番の魅力だったんだけどね)、日本国中、様々なところをほっつき歩いてきた。そのせいで学業がおろそかになったり、あらぬ方向へ脱線しかけたこともあったが、「危険に対する感覚」だけはそれ相応に備わっていると自負している。その辺のことが、山の中でも、町にいても、そして今回の長旅でも役立ったと思っている。「どんな経験も必ずいつかどこかで役に立つんだよ」と先代のばあ様が私の頭を撫ぜながらよく言っていたが、昔の人の言うことは、うむ、奥が深いなぁ、、、