おやじは荒野をめざす【アラスカ編】

がむしゃらに突き進むおやじに、アラスカは何を与えてくれるのだろう、、、

(31) 出会い、繋がり、そして縁

 人生で大事なのは金運ではなく「人運」だよ。

 

 一つ一つはバラバラで、一見なんの繋がりもないみたいだけど、ある時、それらが一定の方向性を持って「繋がっている」と感じることがある。なんで繋がったのか自分でもよく分からない。でも、自分の意志以外の何らかの力が働いているような気もする。「出会わせ、惹きつけ合い、繋げて、進める不思議な力」、それが「縁」というものなのか、なんて考えている。英語には relationship(関係)、luck(運)、destiny(運命)なんて言葉があるけれど、「縁」はそれらに加えて、結び合わせ惹きつけ合う「磁力」と先に進める「方向」みたいなものまで含むんじゃないかな。日本語は奥が深いと思うよ。

f:id:ilovewell0913:20191224201700j:plain 「何でアラスカなのか、自分でもよく分からない」みたいなこと言ってたと思う。でも、もう一度よく考えてみると、何かに引っ張られている気がしないでもない。トライのサマーキャンプでいつもお世話になった入笠山の三沢さん、キャンプに参加した人なら覚えてるんじゃないかな。軽トラックに乗っけてくれたり鹿肉くれたりした元気のいいおじさん。あの人は若い時アラスカを放浪してて、その時の話を何回か聞かされていた。英語の勉強の場にカナダを選んだ後で地図を見たら、「なーんだ、アラスカはカナダの隣りなんだな」ってふと気づいた。当時、たまたま読んでいた本が、ユーコン川をカヌーで漕ぎ下る話だった。「三沢さん」と「カナダの隣り」と「カヌー」、バラバラだった三つがある時合体して、心の中にアラスカに向けてのでっかい矢印ができあがった。

f:id:ilovewell0913:20191224201638j:plain 一つの偶然が縁を生み、その縁がさらに他の縁を呼び寄せるなんてこともある。偶々出くわしたSSLCという英語学校。何となく飛び込んでみたら受付に勉強のライバル、いや目標となるユイがいて、その場でジュンコさんを紹介してくれた。ビクトリアに着いて次の日にジュンコさんに出会えたって超ラッキーなことなんだ。なぜって、ジュンコさんは「ビクトリアの留学生の母」のような存在なんだから。学校でも、最初の基礎英語の先生がコリンで、IELTSに移ってバーニーに教えてもらったってのは、彼ら二人はSSLCのNo. Iと2の先生だからね、本当に運がいいと思う。エドやキャリアナとの出会いはやはり偶然だけれども、そのお陰でキャリアナのお父さんのアレンと知り合った。アレンは私にとって「友」であるとともに「人生の大先輩」だ。そして、マナやアシュウィンとも知り合うことができたんだ。一つ一つはバラバラでも、何かのきっかけで繋がり方向性が示される。これってみんな「縁」のなせる技じゃないかって感じてるんだ。まだ、ある。チナリバーでたまたま出会ったランスがロン・イノウエ氏を紹介してくれ、ロンが赤祖父オーロラ大先生に会わせてくれた。この時ばかりは、普段は目に見えないはずの「縁」が目の前でパシッパシッと化学反応を起こしているんじゃないかと思ったくらいだ。

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 君らは青春真っ只中で、人生についてあまり深く考えたことないかもしれない。人生なんて誰にでもあるってことで言えば、確かにありふれたものだよ。でも、珍しいとか特別ってことは、本当は大して重要じゃない。どこにでも転がっているような極々ありふれた普通の「もの」や「こと」の中に、実は、人生の深みが見え隠れしている。君たちにも、そういうこと、いつかは分かると思うよ。