おやじは荒野をめざす【アラスカ編】

がむしゃらに突き進むおやじに、アラスカは何を与えてくれるのだろう、、、

(16) 旅を支えてくれた道具たち

 旅に工夫はつきものだ。というより、工夫のない旅はつまらないし、様々な工夫をすること自体が、旅の楽しさの一部とさえ言えるだろう。今回は、自分なりの工夫によってさらに機能を高めた道具たち=頑張ってくれた忠実な子分たちを紹介する。

◾️車関係 一日ウン時間も運転することのある車は、いかに便利に、効率的に、快適にするかの工夫が運転席周り・荷室ともに必要だ。そして、必要なものをパッと取り出すために、モノの置き場を一定にするのも大切。

f:id:ilovewell0913:20190916102645j:plain
f:id:ilovewell0913:20190916102010j:plain
f:id:ilovewell0913:20190916102542j:plain
f:id:ilovewell0913:20190916101837j:plain

▲運転席右側をいかに効率的にレイアウトするかが"肝"である。スマホ・薬類・筆記用具・地図・資料・ゴミ箱・ドリンク・ティッシュ・小型バックなどが置かれている。

f:id:ilovewell0913:20190916102939j:plain
f:id:ilovewell0913:20190916102921j:plain
f:id:ilovewell0913:20190916102137j:plain

▲左 : 長距離ドライブ対策のドライバーグラブ。右手の平部分を補強した  中 : 車のキー・豆ライト・法隆寺のお守り、小さな鈴などはトライのキーホルダーにつけ、さらに紐をズボンの穴に通して紛失しないようにした。  右 : 高性能のトレッキング用時計。特に工夫はしていないが、ちょっとしたピンチの時に見るとなぜか安心する(ような気がする)。

 

◾️活躍した道具たち ゴム長靴 : ツンドラにはゴム長が一番  ノート二種 : 記録をつける、日記をつける、予定を書く、、、  スマホ : 宿舎や飛行機、フェリーの予約、写真の撮影、日本との連絡など、今時の旅はこれ無しではやっていけない  小型PC : 写真の管理、ブログ  600ミリ望遠レンズと三脚 : 両方で5kgを超すが、持ってきてよかった  名刺(裏は英文) : 「日本に来ることあったら連絡して」と言って50人以上の人に渡した。本当に来る人いるのかなぁ、、、   

◾️不要だったもの 日本の渓流用のフライフィッシング用品。こちらの川はスケールが違いすぎた  カヤック以外のカヤック用品。流石にマイカヤックは日本において来たが、、、こちらに来る前は「カヤックも重要かつ便利な移動手段」と考えていた。

 

  最後にこれについて触れないわけにいかない。"道具たち"というのとはちょっと違うが、私をいい気分にし、勇気づけ、慰め、旅を支えてくれた音楽である。私のスマホには4000以上の曲が入っていて、レンタカーのナビにブルートゥースで接続して、選曲を"ランダム"にして、運転中はいつも音楽を聴いていた。特に心に染み入った曲やミュージシャンは次の通り。

●ちあき なおみ「喝采」 ベストアルバムに入っているバージョンか。ややジャズっぽいイントロで、一回だけ出てくる「あ・な・た」という一言に、恋人に対する全ての思いが凝縮されている。美空ひばりを超える唯一の日本人シンガーと私は信じる。

●ジミー・ヘンドリクス「Little Wing」 ハードロックの天才ギタリストのイメージだろうが、実は生音を大事にしている繊細さの塊のような男だ。インディアンと黒人のハーフである彼にはシャーマンの血が混じっていると、勝手に想像しているのだが。

ジャンゴ・ラインハルト 古き良き時代の音と香りが、迷いも不安もない澄んだ気持ちにさせてくれる。「そうか、別に全てが悪いわけじゃないんだ。間違ったってやり直せばいいし、俺にはそれしかないんだから、、、」と私を明日へ押し出してくれる。

ジョン・レノン「Don't Let Me Down」 20世紀最高のミュージシャンと担がれた時も、ヨーコに逃げられてドラッグに溺れてた時もいつも全力投球。ある時はかっこいい先輩として、ある時は反面教師として、"我が心の兄"ジョンは私の心にあり続ける。

●ベートーベン「月光」 クラシックなんてほとんど聞いたことのない私だが、たまたま母親がベートーベンについて話したことを思い出してスマホに入れといた。力強さと気高さを併せ持つ旋律。全ての音が必然性をもって心の奥底に語りかけてくる。